ミニセグウェイと公道の関係!日本と海外の事情についてわかりやすく解説

道路

まさに「未来」を感じさせるミニセグウェイ。

自動車でもなければバイクでもない、全く新しい「セグウェイ」というジャンルを確立し、高い注目を集めているのですが、調べれば調べるほど少々窮屈な環境にあることが分かります。

ミニセグウェイで好きな場所を走りたいと思っても、残念ながら法律的な観点から難しく公道でミニセグウェイを走らせると「違反」として扱われてしまいます。

そこで、なぜミニセグウェイが違反なのか、違反時の罰則、海外の事情等を掘り下げてみました。

ミニセグウェイは日本では公道不可!道交法の解説

いきなり出鼻をくじく話ですが、ミニセグウェイは日本の法律では公道走行は違反です。

ミニセグウェイを楽しめる場所は私有地、公園のみで、公道は歩道も含めて「違反」となります。

公道を走ることができればミニセグウェイをより楽しめるのは間違いありませんが、残念ながら道交法がミニセグウェイの公道での走行を許していません。

道交法は道路を走るすべての乗り物のルール

道交法とは「道路交通法」の略称で、公道等、公共の道でのルールになります。

道交法は細かく分類されているのですが、ミニセグウェイの走行を禁止とする根拠がいくつか見受けられます。

まず、第五章第七十六条第三項にこんな記載があります。

交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。

引用:道路交通法

ミニセグウェイはローラースケートではありませんが、法的見地では「ローラースケートに類する」に入ってしまいます。

また、第四章第七十条も関係する記述あります。

車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

引用:道路交通法

ミニセグウェイにはそもそもハンドルもブレーキなく、道交法違反となる可能性が高いのです。

他にも「電動二輪」として考えると最大速度が時速6km以上、定格出力が0.6kw以内である必要がありますが、ミニセグウェイはこれらの条件を満たしていませんので走れません。

このように、様々な法的見地からミニセグウェイは残念ながら公道での走行は「違反」です。

2003年には道交法違反で罰金50万の例も

これはセグウェイの話ですが、2003年にセグウェイが公道を走ったことで一般男性が起訴され、罰金50万円の支払いを命じられました。

セグウェイとミニセグウェイは厳密には違うものですが、判例、そして道交法からミニセグウェイが「違反」となる可能性は高いです。

さらに同じく第五章第七十六条の第七項に「公安員会が道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となあるおそれがあると認めて定めた行為」も当てはまる可能性があります。

極論すると「警察の判断次第」ですが、ミニセグウェイを公道で走った場合、違反と認定されることでしょう。

2018年8月現在、ミニセグウェイの公道走行による逮捕者は出ていませんが、警察が見逃しているのではなく、多くの利用者ルールを守って楽しんでいるからともいえます。

あとは、実際に買って乗ったからわかるんですが、乗りこなすのがそれほど簡単ではないこと。

車や自転車、人がたくさんいる公道で、事故を起こさずミニセグウェイを操るのははっきりいって至難の技だと思います。

違反をすると具体的にどんな罰則がある?

ミニセグウェイを公道で走らせた場合法律違反なので罰則が待っています。

先に紹介した道交法の罰則は第三項の場合には三月以下の懲役、又は5万円以下の罰金。第七項に関しては5万円以下の罰金となります。

先にセグウェイで50万円の罰金を支払いを命じられたとお話しました。5万円よりもはるかに高額ですが、その時のセグウェイでの違反は道交法違反と共に、「整備不良車」でもありました。そのため、少々高い罰金が適用されました。

今のところ、ミニセグウェイを乗っているだけで50万円の支払いを命じられたケースはありません。

私有地ならOKといっても具体的にどういう場所?

ミニセグウェイの走行は私有地では問題ありませんが、具体的に「私有地」の定義も覚えておきましょう。

文字通り「私的」な場所です。

例えばマンションの敷地内。こちらは私有地になるのでミニセグウェイで遊んでも問題ありません。マンションの駐車場スペースも私有地になりますし、商業施設の駐車場も広義としては私有地です。

公道とはいわば行政が敷いた道です。車道・歩道に関わらず、行政が予算を投じて都市計画に応じて建設した道は「公道」ですが、行政が関わっていない物は私有地です。

但し、自分が土地の所有者の場合は問題ありませんが所有者が別にいる場合、いくら私有地でもミニセグウェイでの走行は気を付けるべきです。

道交法の違反にならないだけで、不法侵入の罪に問われる可能性もあります。

私有地は道交法が適用されないものの、自分が所有者ではない場合には土地の所有者に許可を取る必要があります。

マンションの駐車場や自宅の駐車場の場合住人なので不法侵入に問われません。

これらを考えると、ミニセグウェイを楽しめる場所が大幅に限られることが分かるのではないでしょうか。

ミニセグウェイと同じように公道を走れない乗り物とは?

残念ながらミニセグウェイは公道を走れませんが、ミニセグウェイだけではなく公道を走れない乗り物が他にもあります。

例えばピストバイク。競輪選手が乗る自転車のことですね。チェーンと後輪のスプロケット(ギア)が直結していて空転せず、ブレーキがついていません。

これも一見普通の自転車なのですが、ブレーキが装備されないことから公道を走ると道交法違反となります。

但し、こちらは「ブレーキがない」ことが違法なので、購入したピストバイクにブレーキを取り付ければ公道の走行も可能です。

ミニセグウェイと公道走行の可否について【海外編】

ハワイのカラカウア通り

ハワイのカラカウア通り。ハワイは条件を満たせばミニセグウェイ公道走行OKなんですが、気持ちいいだろうな~。

日本ではまだまだミニセグウェイを思う存分楽しめるとは言い難いのが実情ですが、海外ではというと、こちらも「国次第」です。

例えばアメリカでは一部の州では公道での使用が許可されています。

特にカリフォルニアではミニセグウェイが普及してきたために公道でも走れるよう法改正を行ったほど。

ハワイの場合は運転者が16歳以上、時速8マイル(およそ13km/h)以下などいくつかの条件が設定されているものの、条件を順守すれば公道での走行も楽しめます。

一方、香港のように乗れない地域もあります。

香港ではミニセグウェイは「自動車」に分類されます。香港では自動車は登録とライセンスの取得によって公道走行が可能になるので、ミニセグウェイが公道を走るのは将来的にも難しいといわれています。

記事のまとめ

ミニセグウェイを取り巻く環境は決して恵まれているとは言えません。

公道を走れないので解放感のある走りを楽しむことができませんが、法律によって定められている以上、ルールは守らなければなりません。

今後、ミニセグウェイが普及していくにつれて法改正が叫ばれる可能性もゼロではありませんが、道交法違反である以上、ルールを守って楽しむよう心掛けましょう。